信州大学の英語 2018年度・医＆経法の解説と考察
信州大学の2018年度前期入試の英語（医学部と経法学部共通）を解いてみたのでカンタンな解説、考察です。
【概説】
時間90分。大問全4題で全て長文。語数はそれぞれ約600語・約570語・約600語・600語。ということで、どの長文も見事にほぼ同じ量です。
語彙のレベルは標準的なので、システム英単語やターゲット1900など、自分の好きな単語帳を一冊おさえておえば充分過ぎます。医学部用や難易度の単語帳に手を出すのは完全にオーバーワークでそれをやれるのはよっぽどのヒマ人です。まぁ、この辺はセンター対策と一緒ですね。
長文対策としては、600語程度の長文を毎日欠かさず読むようにしましょう。読む速さも、毎日毎日筋トレのように読まないと絶対に速くなりませんね、テクニックではなく「量」です。理想は600語の長文を連続で4本読む、というルーティーンを毎日やることです。600語×4本を毎日読んでいれば、入試当日になっても日々の延長なので、量が多いと感じて尻込みしてしまったり苦痛を感じたり時間がないと焦ったりすることが無くなるからです。普段から慣れておけば、本番でもノーストレスでなんてことないです。しかし国立受験だと科目数が多いので1日4本も読む余裕がない、という人は最低でも1日1〜2本、週1回は4本連続、ぐらいは読んでおきたいです。長文を全然読まない、3日連続読んでない、などはやめましょう。文章を読むというのは筋トレみたいなものなので、身につけるのは時間がかかりますがサボると一気に力が衰えます。
【大問1】
アインシュタインの相対性理論の話。「theory of relativity」が、あぁ、相対性理論だな、と結びつけば文意の理解がラクになります。アインシュタインや相対性理論について既に知っていればさらに話は速いし答えるのがラクな設問もあります。こういった英語関係なしの一般常識や時事問題への造詣の深さも、英語や国語なんかではウルトラ重要です。それだけでかなり差が付きます。私が教えている生徒ですと、ニュース・時事チェックの為に毎朝30分は必ず新聞に目を通す、という子もいます。ちなみに私自身は現役の頃、毎朝5時半に起きて1時間かけて小論文対策で全国紙3紙を読んでいました。
各設問は、文章がしっかり読めていれば答えやすいです。このレベルの文章が読めないのは、絶対的語彙力不足です。
【大問2】
アナログとデジタルの文字、本とネットについての社会学的な話。これも大問1と一緒で、文章自体の難易度は標準。読めなかったらとにかく致命的語彙力不足。問1の動詞を名詞に変換する作業は、この程度は単語帳に出てくるはずなので、書き換えられなかったら単語帳の使い方、単語の覚え方を見直すべしです。アンダーラインを引かれた英語の内容を日本語で説明する設問が出来なければ、とにかく語彙力不足。それに尽きます。問3のGood Booking の言い換えは少しひねった設問かなと思います。この設問の正答率はおそらく平均で悪く差がつかないかなと。
【大問3】
多くの受験生にとってはこの大問3が一番嫌だと思います。他の3つと同じ量の長文ですが、問も解答方法も全て英語のみ。間違いなく受験生の中で差がつく場所です。ポイントは、1.文中にある表現、語彙をうまくパクるテクを身につける 2.シンプルな表現を心がける の二つですね。この問題をできるようにするには、過去問で似た問題を解いて英語の先生に添削してもらうことが一番です。別の訓練が必要。ちなみに、英語の表現方法以前に書く内容がわからないのは語彙力不足なので、そこは勝手に鍛えてください。
【大問4】
ロシアの古い列車に、乗客ではなく医者を乗せて地方の病院がわりになってますよという話。これも難易度は1と2とほぼ一緒ですね。問1の前置詞を入れる設問は、もうしつこいかもですがこのレベルが出来ないのはかなりの語彙力不足です。中学レベルもものも混ざってます。しっかり単語帳を頭の中にインストールしましょう。問2に関しても、選択肢の語の意味がわかっていないと話になりません。この辺の設問は、合格者ならほとんどが正答するであろう差がつかない問題です。問4もパパっと答えてほしいところです。文章が読めていれば簡単過ぎる設問です。問3のline upの言い換えを文中から探す問題ですが、これがやや面倒くさく、差がつく問題だと思います。人によっては時間内に全然見つけられない可能性があるので、少なくとも他の問は絶対に正答してほしいところです。
ブログだとこんなところになってしまいますが、もっと対面でガッツリ解説したいところですね。
