『ファクトフルネス』で世界の見方を変えよう
新刊のビジネス書を購入し読み終えたので、早速紹介します。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本
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著者はスウェーデン出身のハンス・ロスリングという医師で、あの「国境なき医師団」の設立者です。2017年、この本を執筆中に68歳で他界してしまいました。ですが世界中にファンが多かったらしく、この本も既に世界で100万部越のベストセラーとなっているみたいですね。日本でも売れそうです。
この本は「思い込みを改め、事実を正しく認識し、世界の見方を正しくしよう」という『ファクトフルネス』という概念を提唱しています。彼によると、世界銀行や国連機関で働く世界のトップエリート層でさえも、驚くほど世界に対して誤った認識を持っているんだそうです。
例えば皆さん、「先進国」と「途上国」という言葉をよく耳にしますよね?欧米や日本は先進国で、途上国といったらアフリカなどの貧困地域が該当する。。 はい、それは間違っています。「先進国」と「途上国」という分断はおよそ50年前にはバリバリ有効でしたが、現代では全く通用しません。2019年、世界人口の75%は中所得の国々に住む人であり、かつて世界をこの2つのグループに分けていた代わりに、世界銀行等は世界を所得別に4つのグループに分けています。大学入試の小論文などで「途上国は~」なんて古臭い表現を使っている時代じゃないんです。
さらに皆さん、「世界は悪くなっている」と漠然と感じていませんか?それもある種の思い込みなんです。例えば過去200年間で、世界のすべての国で平均寿命は上がっています。自然災害やテロなども深刻化しているイメージですが、人間の全死亡者数に対し、自然災害死は0.1%、テロによる死は0.05%です。そんなことよりも教育や医療の発達により病気で死ぬ人はグンと減っているんです。そういう圧倒的に明るい事実もあるのに、なぜ漠然と「世界は悪くなっている」と感じてしまうんでしょう?
この本では著者自身の世界中での体験や多くの調査研究によって得た様々な事例を紹介していて、私たちの物事に対する考え方、世界の見方が、いかに凝り固まっているかを思い知らせてくれます。高校生でしたら、あなたの世界観を形成しているのは紛れもなく「学校」という社会です。もしあなたが学校について、その指導やルール、空気感に疑問を感じている人がいれば、是非この本を読んでみてください。学校がいかに小さな「箱庭」であるかを教えてくれます。箱庭なんてぶっ壊して、世界を正しく見ましょう。