長野市の大学受験英語専門・プロ家庭教師のイガラシ

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生徒の想像性を奪うノートの使わせ方

ちょっと特例で、中学生に数学を家庭教師で教えていまして、ちょっとびっくりすることがありました。その生徒は学校の宿題で毎日、数学の問題を解いて答え合わせをしたノート1ページ分を提出する、というタスクを課せられているのですが、そのノートの使い方を下記の様に指導されたというのです。

 

『ノート1ページを縦に4分割して使用すると評価は一番高くなる。3分割だと評価はその下。2分割だと評価はさらに下。』

 

つまりはこういうことです。1ページを縦に4分割すると、ノートは4列に分けられます。それぞれの列にギッシリと書き込めるので、ノートに空白がなくなる。これが最高評価です。こういう風にノートを縦に分割しないでそのまま書き込むと、ノートの空白部分が目立ちますよね。これが最低評価です。

 

普通の大学ノートを4分割すると、1列の幅はとても狭くなります。方程式のような数式だけで完結する問題だけだったらいいのですが、数学の問題の半分は図形や関数などの問題です。そういう問題を解くのであれば、必ず図形や関数のグラフをノートに書かなければいけないでしょう。そうすると、4分割方法はそれには向いていません。図形などはある程度大きく書いた方がわかりやすいので、1列の幅には収まり切りません。

 

このノート4分割法は、その前提条件からすでに生徒の数学的想像力を制限してしまっています。現にその生徒は、図形や関数の問題でも全く図形やグラフをノートに写さずノートを提出していました。枠をはみ出すくらいに図形を大きく書くくらいの使い方を許容していないのですから。それでも4分割法を守っているので評価は最高ランクです。解いた問題が合っていようが間違っていようが、評価は最高です。アホじゃないですか?図形を書かせないのに評価が最高って、意味がわからなくないですか?

 

それは、この方法を採用するメリットは、宿題を採点する教師側が楽である、からです。確かに、学校教員は多忙を極め、鬱で休職を余儀なくされるなど社会問題になるほどの大変な職業ですが、だからといって生徒の想像性を奪っていいわけではありません。これは当該の指導をした教師の個人的な問題ではなく、社会全体という枠で考えるべき問題だと思います。しかしもし、その教師が上記のような指導法をした理由が「この方が生徒の学力が上がる」というものならば、とても想像力が致命的に欠如しているし不勉強です。勉強を教えるのはやめたほうがいいです。

 

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