「by : 〜によって」だけでは大学受験英語は攻略できません
ある程度難関な大学の入試だと、中学英語で習ったような安易な訳し方では全く歯が立ちません。
例えば、中学ではbyは「~によって」、withは「~とともに」と教わります。非常に安易なんです。実際のところはそんなに単純ではありません。
例えば、『そのウイルスは顕微鏡によって観察された』という文章を英訳すると、次のどちらが正しいでしょうか。
A...The virus was observed by microscope.
B...The virus was observed with microscope.
安易な訳しか知らないと、顕微鏡「によって」と日本文にあるからbyが正解だろう、となってしまいますが、これは不正解です。正解はBのwithを使っている文です。
byを辞書で引いてみると、大まか次のようなことが書いてあります。①(運輸・伝達の)手段;~によって ②(製造・発明・創作の)動作主;~によって 。
②の動作主、というところがポイントです。
動作主とは、意志を持った人間(もしくは動物)のことです。by microscope としてしまうと、「顕微鏡(という動作主)がウイルス
を観察した」となってしまいます。あくまでも動作主は人間で、顕微鏡は意志を持った動作主ではありません。
動作主である人間が、道具を使って何かをする、というパターンは with を使うのが正しいです。 with microscope です。なので B を選ばないといけません。
もしこの英文に by も入れてみるなら、
The virus was observed by us with microscope.
という風にも出来ます。
大学受験英語は本当に奥が深くて幅広いです。安直な訳を覚えただけでは太刀打ち出来ません。是非、早いうちから基礎をしっかり固めましょう。